転がる種

映画、本、音楽、食、美術…。日常で出会う種々。

梅仕事はやみつき。

 梅仕事はやみつき。

 

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 (大倉山梅林公園にて)

 

 じぅじぅじぅじう…。

 梅が大人になる音です。

 昨日作った「梅のシロップ漬け」(*)から、まぶした黒砂糖と米飴にどんどん梅が溶け出して音がするのです。分別のある青梅は、固くて渋くて。でもそれが黒砂糖と米飴の誘いに応じてしまえば、声を上げて溶けだし、丸みを帯びていく。いつしか青さもなくなり、黄味や赤味を帯びます。

   青梅は、溶けだす時に気体を発し、音を立てるのです。

 じぅじぅじぅじう…。

 秘め事だから周りに気づかれないように。でも音を立てずにはいられない。耳をそばだてると、ひそやかな行為の伴いとなります。

 梅雨空の広がる窓を眺めながらの梅仕事は、梅の吐息を耳にしながら、甘やかな梅の香りを愉しめるのです。

 

 *「梅のシロップ漬け」は、『おばあちゃんに聞いた「和」の保存食レシピ』(城ノ内まつ子著/講談社プラスアルファ文庫)をアレンジしてつくりました。この本は、大変優れもの。元編集者の著者が、田舎暮らしをしながら、地元のおばあちゃんたちに教えを乞い、実際に作った経験をもとに著述されています。地に足のついたこの料理本は貴重。この素敵な本を片手に、クックパッドなどネットの情報も参考にしながら保存食をつくると、自分なりのアレンジというものが、さほどの回り道(つまり失敗)もなく熟成されていきます。